本データベースに掲載されているデータの利用に個別の許諾は必要ありません。ご利用いただく場合には、以下の出典を2つとも記載ください。
Ryu Koide, Satoshi Kojima, Keisuke Nansai, Michael Lettenmeier, Kenji Asakawa, Chen Liu, Shinsuke Murakami (2021) Exploring Carbon Footprint Reduction Pathways through Urban Lifestyle Changes: A Practical Approach Applied to Japanese Cities. Environmental Research Letters. 16 084001
小出 瑠・小嶋 公史・南齋 規介・Michael Lettenmeier・浅川 賢司・劉 晨・村上 進亮(2021) 「国内52都市における脱炭素型ライフスタイルの選択肢:カーボンフットプリントと削減効果データブック」
本データベースでは研究プロジェクトで分析した65項目をとりまとめた57の選択肢を紹介しています。これらの選択肢は、国際的な文献レビューに基づき、以下の観点から特定されました。
1)大きなカーボンフットプリントの削減効果が見込まれる
2)技術や設備の導入から行動変容までの多様なアプローチを含む
3)現状のカーボンフットプリントが大きい分野や消費項目を網羅する
4)日本の都市において現時点で市民が入手可能な技術、製品、サービス
ただし、本データベースに掲載した選択肢にしかカーボンフットプリントの削減効果がないというわけではございません。掲載されていない選択肢については、文献調査やデータ収集に基づく個別の評価が必要となります。
本データベースには、日本国内の代表的な52都市(県庁所在地と政令指定都市)、全国10地方、4大都市圏(関東・中京・近畿・福岡北九州)の平均的な市民に関するデータと、全国平均のデータを掲載しています。
地方・都市圏の区分は、総務省統計局「家計調査」(平成27年)に従っています。ご関心のある地域が個別都市データ(52都市)にない場合には、次のいずれかの方法で、最も近いと考えられる地域のデータをご覧ください。
• 4大都市圏内やその周辺都市 → 該当する大都市圏のデータ
• 県庁所在地の周辺都市やそれに準じる都市 → 同じ都道府県の県庁所在地のデータ
• 上記のいずれにも該当しない市町村 → 該当する地方のデータ、あるいは同じ都道府県の県庁所在地のデータ
気候変動による異常気象、海面上昇、食糧供給、生態系破壊などへの重大な影響を低減するために、地球の平均気温上昇を1.5℃未満に抑えることの重要性が国際的に認識されています。この目標を達成するためには、世界全体で2030年には1人1年あたりのカーボンフットプリントを2500〜3200 kgCO2e(下限〜上限目標)に抑えることが必要です。
この目標は、現時点ではなく、将来(2030年)のものですから、今すぐに個人の努力だけで達成しなければならないわけではありません。しかし、このデータベースに掲載されている脱炭素型ライフスタイルの選択肢を部分的であっても取り入れることで、脱炭素型の製品やサービスへの需要が増え、社会全体で気候変動を止めることにつながります。
このデータベースでは、日々の生活の中で、あるいは住み替え・買い替えなどのタイミングで取り入れることができる脱炭素型ライフスタイルの選択肢を紹介しています。これらの選択肢をたとえ部分的であっても日々の暮らしに取り入れることで、カーボンフットプリントを減らすことができます。
ひとりの消費者としての行動を変える以外にも、このデータベースで紹介されているデータをSNSでシェアするなど、周囲に広めていくこともできます。また、ここには記載されていないような政府や企業による脱炭素化の取り組み(製品の製造工程やサービス事業展開における再生可能エネルギーの導入、省資源で脱炭素型の新しいビジネルモデルの展開など)や、市民や企業の脱炭素型の取り組みを促進する政策(補助金、炭素税、規制、インフラ整備、情報提供など)、企業の脱炭素化の取り組みへの投資(ESG投資、ダイベストメントなど)、地域や教育現場での取り組み(環境教育、地域でのシェアリング拠点、ガイドブック作成など)を市民として後押ししていくことも重要です。
このデータベースでは、消費者や市民の目線に立って、日々の生活の中で、あるいは住み替え・買い替えなどのタイミングで取り入れることができる脱炭素型ライフスタイルの選択肢を紹介しています。
脱炭素型ライフスタイルへの転換は、市民ひとりひとりの努力だけで達成できるものではありません。地域の事業者や団体などが、脱炭素型の製品やサービスを増やし、より便利で手に取りやすい社会にしていくことが重要です。そのための、自治体や政府による支援や計画づくり、地域での環境教育などの取り組みも重要です。
本ポータルサイトに掲載されているデータブックはクリエイティブ・コモンズ「表示-非営利4.0(CC BY-NC 4.0)」ライセンスで公開しています。出典を記載いただければ、主な目的が非営利の場合に限り、どなたでも利用(複製、再配布、転載、引用)することができます。例えば、地域団体、教育機関、自治体などがその地域のデータやグラフを用いてよりわかりやすい資料を作成・配布することも可能です。 民間企業であっても、データの再販など本データの利用が主な営利目的ではない場合には利用可能です。
削減効果は、該当都市における平均的な市民を想定しています。従って、その都市の住民であっても、特定の消費によるカーボンフットプリントが大きい市民や小さい市民にとっては、関連する選択肢の効果がより大きい場合、小さい場合があります。利用状況が一部の市民に偏っている項目(例えば、飛行機による移動)については、その利用が多い市民についての削減効果はさらに大きい可能性が高くなります。
削減効果には、技術を導入する際に必要となる排出量(例えば、電気自動車の製造にかかる排出量)は考慮しておりますが、支出および時間消費を通したリバウンド効果を含んでおりません。従って、ある選択肢を導入した際に、節約されたお金や時間などを別の消費に回すことにより削減効果が打ち消される可能性があります。
データブックやインタラクティブツールに掲載しているカーボンフットプリントおよび削減効果のデータは10kg単位(割合は1%単位)で四捨五入しています。四捨五入した値を足し合わせても合計と一致しない場合がありますが、データの誤りではございません。
カーボンフットプリントおよび削減効果の精度は、推計手法の特性上、10kgCO2e単位での表記を推奨しております。学術論文などに掲載されている元データを利用される場合、可能であれば、10kgCO2e単位で丸めて使用いただくようお願いいたします。